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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第3章 マネージャー志望



「紫原、彼女は一軍に優先的に入っているマネージャーだ。覚えておいた方がいい」

「んー。じゃあ藍ちんねー」


変なあだ名をつけられたが、私も人のことはあまり言えないので黙って、三人で部室へ向かった。


「あ、そうだ」


紫原君…この際もう『あっくん』でいいか。

『あっちゃん』だとマネージャーの友達とかぶっちゃうし。

確かあっくんは…。


「あっくん、お菓子好きだよね」

「うん!スゲー好き!」

「そう。じゃあ、これ良かったらどうぞ」


私は従兄に押し付ける予定だった紙袋をあっくんに渡した。


「クッキー?ありがとー」


紙袋を受け取ったあっくんは、早速中からラッピングされたクッキーの袋を一つ取り出した。

…早速食べるんだ。


「これは…!スゲー美味い!」

「それは良かったわ」


まずくはないと分かっていても、あっくんにそう言われて、ホッと胸を撫で下ろす。


「あ。ほら、急いで食べるから食べ屑がついてるわ」


私は背伸びして、あっくんの口の周りのクッキーの屑をとった。


「うん、ありがと」


口のまわりに食べ屑がついていたのが恥ずかしかったのか、あっくんは少し顔を赤くして、私にお礼を言う。


「華澄、そういえば虹村さんが呼んでいたよ」

「えっ?」


私が「いいえ」とでも言おうかしたとき、間髪入れずに征十郎が思い出したように言う。


「早く言ってよね。じゃあ、また部活でね」


二人に手を振って私は走り出した。


「…あれ走ってんの?」

「そうらしい。俺も初めて見たときは驚いたよ」


私が去った後、征十郎とあっくんは小さくそう呟いたらしい。

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