第11章 認めてないの?
「…祥ちゃんね。確か今日も」
「ああ、サボりなのだよ、あの馬鹿は」
「最近多いわね…」
私は少し俯きがちに言った。
二年生になってから祥ちゃんのサボりは以前に比べて多くなった。
最近では週に二三回は練習をサボるし、朝練なんかは全く来ない。
修ちゃんも以前ならきちんと注意していたのだが、最近ではほとんど言うことはなくなり、それがさらに彼がサボる要因にもなっていた。
「だが残念ながら実力はある。その上、今チームのSFは層が薄い。腹立たしいが奴がスタメンで黄瀬がその控えになるのではないか?」
私も真ちゃんの考えが妥当だと思う。
だが、毎日練習を見ていて思うのは黄瀬の成長速度の異常な速さだ。
このままでは祥ちゃんを抜くのではないか、と私は毎日冷や冷やしている。
だからこそ、祥ちゃんには練習に来てほしくて部活前には探しに行くのだが、毎回それは無意味なものとなっている。
「…いや、少し違うな」
征十郎は言った。
それに真ちゃんは訝しげに征十郎を見る。
「?」
真ちゃんの視線を辿って征十郎の顔を見た時、私は体中が凍り付くような感覚を覚えた。
以前にも感じた「怖い」彼の表情。
一体何を考えているのかわからない。