第11章 認めてないの?
黄瀬の言葉を無視して私は、皆とその場で別れ、まだ部室付近にいるであろう征十郎を探しに行った。
二人は案外早く見つけることができ、三人で並んで歩いて帰路に着いた。
「黒子と黄瀬の二軍同伴の結果は思った通りだったようだな」
「ああ」
真ちゃんは話し始める。
「まぁ、あそこまでアッサリ認めるとは拍子抜けというか、逆に不安もあるが…」
「なあに?真ちゃんはまだテツ君のことを認めてないの?」
私はイタズラっぽく真ちゃんの顔を覗き込んだ。
「…ふん。まさか。とっくに認めているのだよ、俺も、紫原も、そして先輩たちもな」
真ちゃんの言葉を聞いて私は少し口角をあげて笑う。
「ならいいじゃないか。黄瀬はそれが少し早かっただけだ。あれくらいわかりやすくてもいい」
「まあ、私はあいつのことちょっと癇に障るけどね」
征十郎の言葉に私は、少し不満げに付け加えた。
「だが…、気になることがあるのだよ。今回の件でお前が言った言葉、二つ目はわかった。だが一つ目は…黄瀬のポジションはあいつとかぶっているのだよ」
あいつ、それは…