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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第11章 認めてないの?



二軍同伴の試合の翌日。

征十郎の思惑通り、奴とさっちゃんは間違いなくテツ君を認めたんだろうな…なんて思いながら私はその日の授業を受けていた。

ノートには授業の内容とは別に、週末から始まるゴールデンウィーク遠征の必要なものリストも書いている。


「(…昼休みはさっちゃんのところに行って遠征の相談しなきゃ。ついでに昨日の試合のことも聞いてみよっと)」


そんなこんなであっという間に昼休み。私はクラスの友達との昼食を済ませ、さっちゃんのクラスへ向かおうと席を立った。


「藍川さーん。赤司が呼んでるぜー?」


クラスメイトが教室の入り口から私の名前を呼ぶ。

その彼の横には征十郎の姿。

征十郎はクラスが離れた現在でも何かとわざわざ遠い私のクラスへやってくることが多い、とはいってもそのほとんどが部活に関する連絡事項であったりする。


「征十郎、どうしたの?」


彼の前に立ち、用件を尋ねる。


「週末から始まる遠征のことなんだが」

「何かあったの?」

「今回は飛行機で行くだろう?だから必要なものは最小限に抑えろ、とコーチが言っていた。それでも荷物が多くなりそうな場合は早めに報告しろ、とのことだ」


去年の長時間のバスでの移動を踏まえて、私はコーチを通して監督に「長時間の移動は選手に負担が掛かる上に時間が勿体ない」と申し出ていたのだ。

本音を言えば、ただ私がしんどいから嫌だっただけではあるが、私の尤もらしい意見は通った。


「わかったわ。ちょうどそのことでさっちゃんに相談しに行こうと思っていたの」

「そうか。では俺はもう行くよ」


一軍メンバーでお昼をとるとき以外は多忙にしている彼は時計を見て言った。


「今日はどこへ行くの?」

「今から生徒会室へ行かなくてはならなくてね。その後もまだ用件がいくつか立て込んでいるんだ」

「相変わらず多忙ね」


私がそういうと征十郎は、また部活の時に、と言って去っていった。

私もさっちゃんの元へ向かうべく、教室を出た。

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