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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第11章 認めてないの?



「今頃、テツ君たちは試合の最中かしら?」

「そうだな」

「あなたの思惑通りに行くといいわね」


今日の一軍の練習は午前中のみ。

練習終了後、私は征十郎に着いて談笑室へ来ていた。

私は、何をするわけでもなく、ただ彼が一人将棋を打つのを見ていた。


「赤司」


その時、教室のドアが開き、真ちゃんが入ってきた。


「藍川もいたのか」

「やっほう」


征十郎の側の机に腰掛けながら片手を振る私の姿を捉えた真ちゃんは、チラリとだけこちらへ視線を送った。


「緑間か。どうした?」


将棋を打つ手を止めずに、征十郎は問いかけた。


「今回の黒子と黄瀬の二軍同伴を、監督に薦めたそうだな」


真ちゃんは、こちらに近づきながら話し始める。

征十郎はフッと笑い、答えた。


「黄瀬はすぐにユニフォームを着る。先に黒子の力を紹介した方がいいと思っただけだよ」

「すぐに、か。相変わらず何でも分かったかのようなことを言う」

「わかるさ」


征十郎は駒をパチンと打った。


「黒子の力を見出したのだって、俺だぜ?」


そう言った征十郎の口角は少し上がっていて、どこか楽しげだ。


「赤司だけではない。藍川、お前も桃井の二軍同伴を進言したそうだな」


真ちゃんは、今度は私の方に向き直る。


「あら、私は直接コーチや監督には言っていないわ。そうした方が今後のためだ、って征十郎に言っただけよ?」


そう、今後のため。

このままさっちゃんに、テツ君のことを納得してもらえず、今後の練習や試合に影響が出てしまっては困る。

テツ君の実力を認めてもらうには、これが手っ取り早い。


「お前たち二人は…」


真ちゃんは、はあ…とため息をつきながら小さく呟いた。

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