第10章 あくまで反対だからね
そして、修ちゃんは職員室から出てきた。
「おう、赤司に華澄か」
「どうも」
征十郎は私から離れて一歩前に出た。
修ちゃんんはバツの悪そうな顔をして彼を見た。
「てか華澄はともかく、オメー…聞いてやがったな?」
「いえ…最後の方だけです」
「一番聞かれたくないとこじゃねーか」
修ちゃんは一つ息をつき、征十郎に言う。
「…つーわけで少し早いが、これからお前が主将だ、赤司」
「修ちゃん、私はあくまで反た…」
「華澄」
それ以上言うな、と言うように修ちゃんは私を見る。
「…まだ決まってませんよ」
「決まってるだろ!あの話聞いてまだ主将やらせる気か、お前は!」
強がっているようにも見える従兄の姿に私は下を向いた。
「…不安か?」
修ちゃんが征十郎に問いかける。
「いえ…虹村さんの心配をしているだけです」
「だろーな。だから俺は心配してねーわ」
修ちゃんは笑いながら言い、そして、
「よろしく頼むぜ、赤司主将」
そう言って、その場を後にした。
征十郎は小さく「…はい」と答えた。