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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第10章 あくまで反対だからね



「華澄」


振り向くと征十郎が立っていた。

私は今にも溢れそうな涙をこらえて彼を見る。


「父が去年の春から入院しています」

「!」


伯父さんのことを話しているであろう、従兄の姿を想像して私は、何とも言えないほど辛い気持ちになる。

隣で征十郎は何も言わずに黙ったまま聞いていた。


「今はまだ落ち着いていますが全中の頃にはどうなっているかわからないそうです。けどもし何かあったら…」


修ちゃんは少し声を小さくして続けた。


「試合中ならばそれを放り出して病院へ向かいます。そうでなくても悪化の知らせを受ければ平静にバスケットなどできないでしょう。バスケは好きだし父のことを認めるのが怖かった。…だから今まで言いそびれてきました。本当にすみません」


修ちゃんの言葉にこらえていた涙が溢れてしまう。

声が漏れないように手で口を押えるも、思わず、漏れてしまう。

そんな私を見て征十郎は優しく頭を撫でる。

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