第10章 あくまで反対だからね
―バキッッ
私は奴の目の前でボールペンをへし折った。
「覚悟しておいてね?」
「スンマセンしたっっ!!」
奴は私に素早く頭を下げ、それを見て私はフッと鼻で笑い、先程できたばかりの奴専用のメニューを目の前にひらひらと落とした。
「流石は主将の従妹」
大ちゃんが言ったのも聞こえたが、聞かなかったことにした。
私がその場を去ると、まだ懲りないのか、奴は「あんたのせいで怒られたッス!」とテツ君に八つ当たりをはじめ、それからまた大ちゃんと言い合いになっていた。
「赤司…」
真ちゃんは心配そうに征十郎を見る。
「困ったね」
「だから昨日言ったじゃない」
私が不機嫌極まりない顔で言うと、征十郎はさらに困ったように息を吐いた。