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【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】

第7章 夏〜甘い時の終り〜


才蔵さんはやはり手際がいい。

そうめんを茹であげ、井戸水で粗熱をとり締めるのも、何も言わなくてもやってくれた。

ほんと、何でも知ってて何でもできる人なんだよね。

私たちは部屋に食事を運び、遅めの昼餉をとった。
お腹が空いていたのもあって、2人であっという間に平らげてしまった。
片付けももちろん二人で行った。

才蔵さんと台所に立つのって楽しいな。
ここの家だと才蔵さんと、お城では普段できない事ができる。
…あ、夫婦みたいなんだ、とふと思う。
でも、こんなに家事をしてくれる旦那さんているのかな?
いないよね。
才蔵さんの気まぐれからこんな感じになってるんだよね。

片付けを終え、また2人で部屋に戻る。
何とは無しに縁側に二人で寄り添って座る。
才蔵さんに肩を抱かれている。
ああ、なんて平和で甘い時間。
こんな日がずっと続けばいいのに。

あやねの肩を抱きながらぼんやりと庭を眺める。
緊張感のないゆったりとした時間。

以前の俺からは考えられないほど緩んだ気持ちだ。

でも、また何やら気持ちが高ぶってきた気がする。
でも、風呂であれだけやってしまったから。
さすがにな。
せめてもう少し暗くなるまで待つかな。

ああでも、あやねのをまた抱きたい。
触れたい、あやねの紅潮した顔を見たい。
うん、接吻くらいなら…。
そう思うともう我慢できない。

「あやね、こっち向いて…」

俺はそう言ってあやねの顎をとり、こちらに向かせる。

ああ、この潤んだ目はダメだ。
俺を煽る。
俺の気持ちを掻き立てる。
あやねは雰囲気を察したのか、ゆっくりと目を閉じた。

そして俺は優しく口付ける。

「ん…ん…」

触れるだけの口付けを繰り返す。

ああ、柔らかい唇。

あやねをさらに暴いてしまいたい欲求がふくらみはじめる。

でも、我慢。

この甘くて気だるい平和な時間を楽しみたい。
あやねもきっとそう考えてるはず。
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