【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】
第2章 春〜花見〜
どれくらいの時がたったのだろう。
料理とお酒も残り少なくなり、
お団子もほぼなくなってきた。
少し日が傾き始めている。
「たっぷり飲んで食ったし、
桜も堪能した。
そろそろ城に帰るとしよう。
皆の者、本日はご苦労であった。」
幸村様の号令で宴の片付けがはじまった。
酔って寝ている人を起こしたり
食べ物や食器などを片付ける。
大勢でするのであっという間に終わり、皆で帰路につく。
才蔵さんは最後までとうとう姿を見せなかった。
才蔵さんは間に合わなかったなあ。
残念。
里の任務はあとどれくらいかかるのかな。
などと考えながら皆の後ろの方を
トボトボと歩いていた。
するとふいに腕を取られた。
「えっ?」と思っていると
「こっち」と耳元で言われて
ふわりと横抱きにされ
桜並木の方に連れて行かれる。
「…!才蔵さん!」
「しー!皆んなにバレると面倒くさいから。」
「あの、歩けますから…降ろして」
「いいから、この方が早いから。」
そう言われて才蔵さんに抱かれたまま
大きな桜の木の上に軽々と運ばれた。
そして二人で並んで枝に腰掛ける。