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【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】

第5章 夏〜甘い時〜前半


夕餉ももちろん才蔵さんが作ってくれた。
ごはんとお味噌汁と魚の干物の焼き物とお漬物。

なんてことない献立だけど。
人に作ってもらうととても美味しく感じる。
しかもそれが大好きな才蔵さんだから、ますます美味しい。

さらに、また食事を寝床まで運んでくれたのだ。
歩けるって言うけど聞いてもらえなかった。
でもさすがに今度は自分で食べた。
才蔵さんも同じ部屋で一緒に食べた。

たわいのない話をしながら食べるのがまた楽しい。
そして才蔵さんはいつになく私の話を遮らずによく聞いてくれる。
ほんと今日はお姫様扱いだな。

私はとても美味しかったのもありペロリと全部を食べ終えた。
寝てるばかりなのにお腹は空くんだなと不思議に思う。

「ごちそうさまでした」
「どういたしまして。」
食後に才蔵さんの美味しいお茶をいただき、心も体もほっこりする。

なんだろ、この雰囲気。
温かくて、安心できて、心も体も(お腹も!)満たされてる感じ。
奥さんに尽くされてる旦那さんの気持ちって、こんな感じなのかな。

私も足が治ったら才蔵さんに同じような雰囲気を感じてもらいたいな。
そう思いながらお茶を飲んでいた。

才蔵さんは夕餉の食器を片付けに部屋を出る。
私はお腹が満たされたからか、急に眠気に襲われ褥に横になった。

(まさに、上げ膳据え膳。食っちゃ寝食っちゃ寝だな。
才蔵さんのお世話をするのも嬉しいけど、される方が何倍も嬉しいかも…)
そしてまた目を閉じウトウトする。
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