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【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】

第4章 秋【裏R18】〜月光〜


「崇子(たかこ)様、これはとても素敵な絵巻物ですね。」
「ええ、子供の頃に婆やとよく見ていたの。
色がとても綺麗でしょう。
源氏の君も素敵…」

今出川家で一つ年下の崇子様とは何かと気が合い、夜も崇子様の部屋で遅くまで過ごすことが多かった。
お顔立ちは愛くるしく、とても上品な立ち居振る舞いをされ、いかにも公家のお姫様、というお方だ。
なのに使用人の立場の私とも気さくにお話をしてくださる。
というのも、私が作った南蛮菓子のお話をするうちに仲良くなれたのだ。

今夜は、崇子様とっておきの源氏物語の絵巻物を見せていただいていた。

とても美しい絵と装丁、流れるような見事な文字についつい見入ってしまう。
高貴な方の夢のような恋物語も素敵だ。

「ふう、でも私はこんな恋とは無縁だわ。
親の決めた相手のところに輿入れさせられるのですもの。」
「そうですね…。高貴な方々は…。
でも、そのお相手が源氏の君のような素敵な方かもしれませんね。」
「そうならいいのだけど。
もしかしたら私も武田のような武家に嫁ぐことがあるのかも。」
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