• テキストサイズ

DIABOLIK LOVERS短編集

第3章 シュウ叔父さん!?



「ねぇ....シュウおにいちゃん」

「ん?」

きょろきょろするコイツに俺はハテナを浮かべる

「ママとパパは....?」

辺りに2人が見えないという事は

2人が見ていない隙にコイツは部屋から出てきたのだろう

「....知らない。二階にいるんじゃないのか」

「ッ....グスッ....」

この子供は何だかんだ寂しがり屋なのか、ふと気付いて2人が見えなくなるとまた目に涙を溜める

シュウはまずいなと思って、子供の体を持ち上げる

そして、自分が眠る胸元に抱き締めるように子供を寝かす

「シュウ....おにいちゃん?」

「寝てろ。そしたらすぐアヤト達も迎えに来る」

「ほんとに!?」

「あぁ」

ごそごそ動く子供の髪を優しくとく

2人が来ると知ると、単純なのか
いや、まだ子供だからか嬉しそうな顔をする

そして、シュウは一瞬そんな純粋で幼い
子供を"可愛い"と思った

何だか、子供の頭を撫でる彼はとても優しい表情をしていた

ふと、思った事を口にする

「....なぁ....

アヤ....いや、パパとママの事、そんなに好きなのか?」

胸元に居る小さな頭が上を向く

その顔はとても不思議そうで、とても幸せそうだった

「うん!だいすき!」

素直に頷く子供にまたも俺は笑みが零れたのが分かった

あぁ....俺にもこんなふうに素直に笑えてた時期があったのだろうか....

母親は俺の教育に必死で、そこにはカールハインツへの愛があったのは確実だが....
俺自身への愛があったのか....
まぁ、もう今となっては分からない事だ


「シュウおにいちゃん」

「ん?」

ぎゅっとシュウの服にしがみつく

「わたしはシュウおにいちゃんのこともだいすきだよ」

「!」

「いつもねてるけど、シュウおにいちゃんはすごくあったかい」

そう言うとまた俺の胸の中で丸くなる

「あったかいのは....お前のほうだ」

こいつは人間の血を引いてるから少し体温を持ってる
まるで、猫みたいだなと心の中で笑う


きっとコイツはアヤト達の力で何の傷害も無く育っていくだろう

眠る子供に少し服をかけてやる


シュウもその寝顔をみると段々と瞼が重たくなってくる

目を閉じて思う


ふっ。初めてだ....アヤトの事を羨ましいなんて思ったのはーーーー








/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp