第3章 シュウ叔父さん!?
ドタドタドタ....!!
階段を駆け下りる音が屋敷に響く
「ん....うるさい....」
「おい!ダル男!俺の....」
下りてきたのはアヤトだった
アヤトは俺の腕の中を見るなり、安心したようにそこに座り込む
こんなこいつは初めて見た
「アヤト!居た?」
少しして女も降りてくる
ちょっと目を離した隙に居なくなっていたようで
「こいつ....首輪でも付けとくべきじゃないか?」
シュウは呆れたように言う
こんなに周りが騒いでいるのにこの子供はスヤスヤと夢の世界に浸っている
「ありがとうございますシュウさん」
「俺は別に....
このままじゃ、勝手に屋敷から出られる日も遠くないかもな」
シュウはふっと笑う
すると、単純馬鹿な2人は慌てた様子を見せる
『パパもママもだいすき!』
こいつがそう言うように
この親達も同じ気持ちなのだろう
アヤトはゆっくりと子供を抱き上げる
「ったく....」
「部屋に戻ろう?」
「あぁ」
優しい笑みを浮かべたまま2人は子供を連れ部屋に行く
その後ろ姿をチラッと見て、なんだかアヤトがでかく見えた気がした
あいつも精一杯父親として頑張っているんだろう
胸元にはまだ温もりが残っている
子供なんてうざくて面倒なものだと思ってた
けど....今は....
「シュウさん?」
はっとするとソファーの側からひょっと顔を出す女が見える
「ユイ....」
「またこんな所で寝ていたんですか?」
ため息混じりに言葉をかけるこいつの手を俺はとった
「え!どこ行くんですかシュウさん!」
「俺の部屋」
「どうして!?」
シュウは足を止め、ユイの方へ振り返る
この時の俺はひどく妖艶な笑みを浮かべていただろう
『俺達の子供....欲しくない?』
シュウの言葉に顔を赤くする
今夜は一生忘れられそうにない