Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第1章 The signs of LOVE 【実渕 玲央】
部室を出たアタシ達は、二人とも黙ったまま歩いていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
やっぱり、かなり堪えているようね。
あんな話ばかりが耳に入ってくるんだもの・・・
ねえ、優奈
どうしてそこまで耐えられるの?
それはやっぱり、彼の事が好きだから・・・なのよね。
そんな風に考えてしまうと、本当に辛いわ。
アタシもね、あなたの事がどうしようもなく好きなのよ・・・。
この気持ちはきっと永遠に言えないのだろうけど。
しばらくの沈黙の後、優奈がアタシにこう言ったわ。
「玲央、聞いてくれるかな?」
「ええ、もちろんよ。今日はその為に一緒にいるんじゃないの?」
アタシがそう答えると、優奈は嬉しそうに
「うん、そうだった!玲央に聞いてもらわなくちゃいけないんだった!」
と、自分のおでこをペチッとたたいて「えへへ」と笑ったわ。
ホントかわいい人ね。
こんな優奈が見られるのは、アタシだけの特権よ。
アタシだけの優奈でいてくれたらどんなに・・・なんて思ってしまったわ。
いけない、いけない。
「玲央、あそこのコンビニで買い出ししよう!」
「いいわよ、腹が減っては・・・って言うものね」
「うん!」
2人でコンビニに入り、お菓子やジュースをかごに入れていく。
レジに向かう途中で、花火セットを見つけた優奈。
こんな季節に?そう思ったのだけど、アタシは優奈に
「ねえ、この花火買わない?」
と聞いてみたわ。
振り向いた優奈は一瞬ビックリしていたけれど、すぐに
「賛成!」と笑顔で返事をしてくれた。
アタシ達は、コンビニのオーナーさんにバケツとライターを借りて、近くにある公園に向かったの。
公園に着いた優奈はとてもワクワクしているみたいね。
見ているこっちまで嬉しくなっちゃうわ。