Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第5章 Kisses~愛のカタチ~
【ストロベリーキッス 紫原 敦】
「あれ~、それって新作~?」
教室の机で友人と新作のチョコを食べている彼女の頭の上から声をかける。
「一個いただき~」
俺は彼女が手に持っていたチョコを奪って口の中に入れた。
「甘くておいしいね~」
そういって、座っている彼女を後ろから椅子ごと抱きしめる。
「もぉ~、敦ったら、そんなことしなくてもあげるのに」
と優奈ちんは俺の顔を覗き込んできた。
優奈ちん、ほんとかわいい。
「だめ~、優奈ちんからもらうことに意味があるんだよ~」
そういって、優奈ちんの頬にすりすりしてみる。
「敦は甘えん坊だなぁ、もう」
そう言いながらも、優奈ちんの顔は嬉しそう。
俺は、優奈ちんの笑顔が大好き。
バスケは嫌いだけど、優奈ちんが「バスケしてる敦は本当にかっこいい!!」と嬉しそうに友達に話しちゃうから、俺としてもカッコ悪いところは見せられないもんね。
だから練習も試合も頑張れるって話。
優奈ちんもお菓子も大好きなんだ~。
「あ、今日は一緒に帰ろ~、部活ミーティングだけだし」
と俺が言うと
「じゃあ、教室で待ってる!」
と嬉しそうに笑ってくれた。
放課後になって、俺は部活のミーティングに出ていた。
室ちんが「敦、今日はなんだか嬉しそうだね」と聞いてきたから「うん、優奈ちんが待ってるからね~」とクッキーを食べながら答えた。
そう、このクッキーは優奈ちんが今日の調理実習で作ったやつ。室ちんにはあげないよ?
そんな会話をしていると、ミーティングが始まった。
一時間ほどしてミーティングが終わった。
俺は、教室で待つ優奈ちんのところに向かう。
優奈ちんは、雑誌を見ながらチョコレートをつまんでいた。まだ俺に気づいてないみたい。
「優奈ち~ん」
俺が声をかけると
「あ、敦!終わったんだね!」と手に持っていたチョコを口の中に入れた。
俺は、そばまで行くと「俺にもちょうだい」と言って、優奈ちんに顔を近づけた。
そして、優奈ちんの唇にチュッとキスをした。
「あ、あ、あ、敦ぃ~~!!」
優奈ちんは顔を真っ赤にして俺の胸を叩いてくる。
「ん~、イチゴ味のチョコレートだね~」
俺と彼女の甘い甘い時間・・・