Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第5章 Kisses~愛のカタチ~
【桜の木の下で 赤司 征十郎】
いつもの昼休み。
僕は校舎から少し離れた桜の木へ向かう。
彼女・・・優奈と会うためだ。
「優奈?」
僕は、桜の木にもたれかかっている彼女に声をかけた。
しかし、返事がない。
どうしたのかと顔を覗き込んでみる。
寝てるのか?
そう思ったと同時に、唇にあたたかく柔らかいモノが触れる。
不意打ちの行動に、さすがの僕も戸惑ってしまう。
「征十郎、待ちくたびれたちゃったよ」
ちょっと頬を膨らませて、僕の顔を見つめる優奈。
普段は見せない彼女の表情に、何とも言えない独占欲と優越感が僕の中を駆け巡る。
「この僕を驚かすとは・・・いい度胸だ、優奈」
そう言って、彼女の顎をくいっと持ち上げる。
すると優奈は
「ふふ、やっぱりちょっと強引な征十郎が好き」
と言って微笑んだ。
「大好きだよ、優奈。僕はキミだけのものだ。そして優奈の全は・・・僕だけのものだ」
桜の花びらが舞う木の下で
僕と優奈は
長くそして甘いキスをした。