Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第5章 Kisses~愛のカタチ~
【飛行機雲とキス 黄瀬 涼太】
「あ、飛行機雲・・・」
雲ひとつない青空に白く伸びる雲。
俺の隣で彼女がそう呟いた。
「ほんとッスね」
つられて俺も空を見上げる。
今日は、お互いに部活が午後からということで、一緒に学校まで向かっている。
普段はそれぞれの部活で忙しい俺たちは、できる限り時間を合わせて会うようにしている。
そうでもしないと一緒にいられないんッスよ。
空を見上げたままの彼女に視線を向けると、ばちっと目があった。
「優奈っち!?」
彼女は空ではなく、俺の顔を見ていたみたいで。
俺と目が合うと、優奈っちは背伸びをして
「涼太、大好き」
そう言って俺にキスをしてきた。
めったに優奈っちからは、そういうことをしてこないから、不意打ちもいいとこ。
反則ッスよ・・・。
「えへへ、びっくりした?」
そう言って笑う彼女。
「びっくりしたけど、すごく嬉しかったッスよ」
その言葉を聞いた彼女は本当に嬉しそうで。
「ずっと大好きッスよ」
と俺は彼女をギュッと抱きしめた。