Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第4章 大好きな人 【~another side~】
その後、しばらく抱き合っていた俺達。
どちらからともなく見つめ合うと、優奈はすごく幸せそうな顔で微笑む。
「優奈、もう離さねぇからな」
俺がそう言うと
「うん、そうして。大輝」
と笑って返してきた。
大輝って言ったな・・・
なんだよ、こんなに嬉しいのかよ・・・
俺の傍で、ずっと笑っていてくれよな。
俺は心の中でそう呟いたのだった。
「優奈・・・」
俺は小さな声で名前を呼んで、優奈の唇にキスをした。
優奈の唇は、柔らかくてふわふわで、何度でもキスしたくなっちまう。
すると優奈が
「ねぇ、大輝。またバスケ見に行ってもいい?」
と俺に聞いてきた。
俺は
「もちろん。そして俺をもっと好きになれ」
と優奈にもう一度キスをした。
「これ以上好きになれって、どんだけ欲張りなの~」
優奈はそう言ってケラケラと笑う。
そんな顔もまたかわいい。
「優奈、大好きだ」
「私も大輝のこと好き」
「あん?知ってるっつ~の」
「私も知ってるよ!」
「「・・・・・・・・・・・」」
「「あははははっ」」
俺達はひとしきり笑い、またキスをした。
それは、さっきよりもずっと深い大人のキスだった。
離れたくねぇ・・・
そう思いながら優奈を送る。
家の近くまで来たが、なかなか別れられない。
そんな俺の気持ちに気づいたのか、優奈は背伸びをして俺の首に腕を回してきた。
そして、耳元でこんな風に囁く。
「じゃあ、明日までずぅ~っと私の事を考えていてクダサイ」
お、オマエ・・・
俺は今、耳まで真っ赤だろう。
そんな風に煽るなよ・・・押し倒したくなるっつ~の。
優奈は、ふふっと笑って
「今度こそ、また明日ね!」
と手を振っている。
優奈には敵わねぇ。
ちょっと悔しいけれど、今日は勘弁しといてやるよ。
まぁ、また家に帰ったら優奈の事考えるけどな。
「ははっ、優奈は俺の彼女なんだよな。俺、最高に幸せだぜ」
そんな風に思いながら、俺は家への道のりを歩いた。