Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第4章 大好きな人 【~another side~】
優奈は黙ったままだ。
そりゃ、言えないよな。
好きなヤツが誰かなんて・・・。
と同時に、俺じゃない事も決定かよ。
気持ちを伝えるとか言っておいて、このザマだ。
最低だな・・・
ショックと優奈への申し訳ない気持ちでいっぱいの俺は
「わりぃ」
そう言って優奈を離したのだった。
「ん、送ってくわ」
そう言って歩き出すと、優奈がブレザーの袖をギュッと引っ張った。
「なんだよ、突然」
少し冷たい口調で言う俺に、優奈は
「私は、大輝くんが好きなの。だから・・・そんな悲しい顔しないで」
そう言って、今にも泣きそうな顔をしている。
あまりにも突然すぎて、俺の思考回路は完全にフリーズしちまった。
そんな俺を前に、優奈は俯いてしまう。
やっと、今の状況が理解できた。
優奈は俺が好きだと言った。
俺も優奈が好きだ。
「やべぇ、めちゃくちゃうれしんだけど」
俺はそう言って優奈を抱きしめた。
そして
「一回しか言わねぇぞ。俺も優奈のこと好きだわ。だから俺と付き合ってくれ」
と人生初の告白をした。
「ううっ・・・」
腕の中の優奈が泣いている。
俺、なんか泣かせるようなことをしたか?
なんか、悲しくなるような事を言ったか?
今度は俺の方がアタフタしちまう。
すると優奈は、泣き笑いの顔で
「だって、嬉しいんだもん!」
そう言って、俺の背中に腕を回してきた。
「そうなのか?女って難しいな」
俺は優奈をさらに強く抱きしめた。