Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第4章 大好きな人 【~another side~】
さつきに言われて、俺は生徒会室に急いだ。
ドアを開けてみるが、中には誰もいない。
「はぁ、間に合わなかったか・・・」
ガッカリしたが、もしかしたらまだ教室にならいるかもしれねぇ。
そんな小さな期待を持って、俺はさつきに教えてもらっていた優奈の教室へと走った。
優奈の教室に着いて、俺は中を窺った。
誰もいねぇのか・・・
そう諦めかけた時、窓際の一番後ろの席で眠っている優奈を見つけた。
起こさないように、静かに教室に入って行く。
隣の席に座り、突っ伏して寝ている優奈の顔を覗き込んだ。
スースーと寝息を立てて眠っている優奈。
しばらく見ていたが、全く起きる気配はない。
やべぇ、キスしたくなんじゃねぇか・・・。
伏せられた長いまつげと綺麗な唇。
思わず吸い込まれそうになる。
ダメだろ・・・
俺はなんとか思いとどまると、優奈と同じように机に突っ伏してまた寝顔を見ていた。
ガタンッ
ん?なんだ?
あれ・・・俺、優奈の寝顔を見ていて寝ちまったのか。
「んぁ?起きたのかぁ?」
俺は、伸びをしながら優奈の顔を見た。
すると優奈はアタフタしながら何かを言っている。
その姿がめちゃくちゃかわいくて、思わず抱きしめてしまいたくなる。
事情を話すと、優奈は「ん~」と唸ったままだ。
「帰ろうぜ」
俺はカバンを持って立ち上がった。
「あ、青峰くん!?」
相変わらずアタフタしている優奈がかわいくて、ついイジワルをしたくなる。
「青峰くんって禁止な。大輝って呼べよ」
自分で言っておきながら、かなり恥ずかしい。
入り口に向かって歩いていると、くいっとブレザーの裾を引っ張られた。
何かわいいことしてんだよ・・・
それだけでもドキドキしてんのに、優奈は俺の顔を覗き込んで
「いきなり呼び捨ては恥ずかしいよ/////だから大輝くんでもいい?」と聞いてきた。
マジ、その顔は反則だろ・・・他のヤツには絶対に見せたくねぇ。
そう思った俺は、自分の気持ちを優奈に伝えようと決めた。