Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第4章 大好きな人 【~another side~】
そんな日がしばらく続いたある日。
いつも通りバスケをしていると、黄瀬と紫原が体育館の入り口を見て何かを言っている。
「俺のファンっスかね?」
「え~、黄瀬ちんの~?」
「めっちゃかわいくないっスか?」
なんだよ、また黄瀬のファンかよ。
そんなことを思いながらシュートを決める。
「青峰っち、早すぎっスよ!」
「あん?オメーがよそ見してっからだろ?」
俺は黄瀬にそう言って練習に戻った。
ピッピー
15分の休憩に入る。
黄瀬は相変わらず、体育館の入り口を見て
「声をかけてこようかな」
などと言っている。
「ねぇ、大ちゃん」
さつきがタオルを渡しながら話しかけてきた。
「なんだよ」
俺がそう答えると、さつきは
「あの入り口で見ているのって、優奈さんじゃない?」と言ってきた。
は?
んなわけないだろ。
そう思いながらも、体育館の入り口を見る。
するとそこには、体育館の中を見ている優奈がいた。
「だ、大ちゃん?」
俺は、無意識に体育館の入り口に向かって歩いていた。
優奈が見に来てくれた・・・それが嬉しくて仕方ない。
「あれ?青峰っち?」
「峰ち~ん?」
外野の声などどうでもよかった。
俺は、優奈のところまで行くと
「見に来てくれたんだ」
と嬉しい気持ちを伝えた。
すると優奈は突然
「青峰くん!カッコ良かったよ!」
と真っ赤な顔をして言ってきやがる。
「ばっか、何言ってんだよ!」
俺は思いもよらない言葉にドキドキが止まらない。
少しの沈黙の後、どちらからともなく笑った。
そして優奈がもう一度
「カッコ良かったよ!」なんて言うから、俺は照れ隠しに
「さては、俺に惚れたな?」
と半分冗談で言ってみた。
すると優奈は、ますます真っ赤になって俯いてしまった。
なんでそこで黙っちまうんだよ?俺、調子に乗りすぎたか?
少し後悔していると、優奈と目が合う。
やべぇ、その顔は反則だろ。
そんな顔、他のヤツには見せたくねぇ・・・。
俺の心の中に、そんな気持ちが湧いてくる。