Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第4章 大好きな人 【~another side~】
数日後
俺はさつきと体育祭の説明を聞くために、視聴覚室に向かっていた。
「チッ、面倒だな」
そう言いながら歩いているうちに、視聴覚室に着いちまう。
さつきがドアを開けて中に入って行く。
俺はさつきの後を追って、プリントを取りに行った。
「はい、どうぞ」
プリントを渡され、俺はそいつの顔を見て固まってしまった。
「優奈?」
おい、なんで優奈がここにいんだ?
体育委員とかじゃないよな・・・。
俺は、優奈になんでここにいるのか聞いてみることにした。
すると優奈は
「生徒会だよ」
と答える。
生徒会?
じゃあ、早めに来れば話とか出来たんじゃねぇかよ・・・
かなり残念な気持ちになったが、「次は早めに来るわ」と俺は優奈に告げて席に着いた。
「大ちゃん、彼女と知り合いなの?」
さつきが聞いてくる。
「ちょっとな」
俺がそう答えると、聞いてもいないのにさつきは
「彼女は生徒会の副会長だよ。美人だし、頭もいいし、帰国子女だし・・・」
まだまだ言いたいそうなさつきだったが、俺が「ふ~ん、そうなんだ」とあまり興味がなさそうに答えると
「もうっ」なんて言いながら、話すのをやめた。
説明会が始まってから、俺は前の方で記録をしている優奈の事ばかり見ていた。
俯いた姿勢でノートを書き、時折顔を上げる。
「かわいいよな・・・」
俺は、無意識にそう呟いていた。
そう、さつきが驚きの顔で俺を見ていた事などには気づかずに。