Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第4章 大好きな人 【~another side~】
さて、今日も部活だ。
最近はいろいろな事が出来てきて、バスケが楽しくて仕方ねぇ。
いつも通り昼寝を終えた俺は、部活に向かう為、体育館に向かっていた。
ふわっと
風が通り抜ける。
渡り廊下を歩いていた女の髪がなびいて、その姿と横顔の綺麗さに俺は釘付けになっていた。
女は、何か言いながらまた歩き出した。
そして、口に手もあてず ふぁ~とあくびをしやがった。
ククッ
なんか表情がコロコロ変わって面白れぇ。
俺は、なぜかその女に近づき声をかけていた。
案の定、女はものすごく不機嫌そうな顔で振り向く。
「俺は青峰大輝。お前は?」
「櫻井 優奈。3年生です」
3年生か・・・年上なんだ。
近くで見た優奈は、俺が言うのもなんだがかなりの美人だ。胸もでけぇし、スタイルもいい。
そして、何よりもクルクル変わる表情が、俺の心をわし掴みにする。
また会いてぇ・・・
俺らしくない感情に驚きながらも、気づけば「バスケ部を見に来いよ」なんて事を言っていた。
優奈は、目を丸くして俺の顔を見つめている。
すげぇ可愛いじゃねえか・・・
照れくさくなった俺は、そのまま体育館へと向かった。
まだこっち見てんのかな・・・
気になるが振り向く勇気がない。
体育館に入り、渡り廊下の方を見てみると、優奈の後ろ姿が見えた。
なんだ、この気持ちは。
アイツ・・・優奈は、バスケ部を見に来てくれるだろうか。
今まで感じたことのない感情が胸の中にあった。
「青峰?」
「大ちゃん?」
赤司とさつきの声で、ハッと我に返る。
「わりぃ、ちょっとぼ~っとしてたわ」
俺がそう答えると
「また、サボって寝ていたんでしょ!大ちゃんはいつもそうなんだから!」
とさつきがいつものように文句を言う。
「青峰、これから部活だ。寝ぼけていられては困るぞ」
赤司もさつきに続いて言ってきやがる。
「大丈夫だっつ~の。寝ぼけてないし、いつでも準備オッケーだぜ」
俺はそう答えて、コートの中に入って行った。
練習が始まった。
俺は「優奈が見に来るまでに、もっと上手くならねぇとな」
そんな気持ちを抱いて、練習に専念した。