Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第1章 The signs of LOVE 【実渕 玲央】
ダメだ。
普通にしていようと思っていたのに。
玲央に心配かけないって思っていたのに。
玲央の手が頬に触れた瞬間、気が付いたら涙が溢れていた。
「玲央、私ね・・私ね・・・」
それ以上言葉が出てこない。
私は、玲央の名前を呼びながら、ただただ泣き続けた。
そんな私を、玲央は優しく抱きしめるとだまって背中をさすっていてくれた。
どのくらい泣いていたのだろう。
昨日、もう涙なんて出ないって思うくらいに泣いたのに、玲央のぬくもりに触れた途端に涙が止まらなかった。
少し落ち着いた私は、昨日と今日の出来事を話そうと口を開いた。
「玲央、聞いてくれる?昨日ね・・・」
と私が言うと、玲央は私の口に人差し指をあてて
「優奈、今日部活が終わったら一緒に帰れるかしら?」
と聞いてきた。
私が「うん、大丈夫だよ」と答えると
「じゃあ、決まりね!」とウィンクをして、そして「今日はずっとそばにいてあげるから、1日頑張るのよ?」と笑ってくれた。
「ありがと・・・・」
また泣きそうになった私は、そう言うのが精一杯だった。