Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第3章 久しぶりの I Miss You 【青峰 大輝】
その日の帰り道
私と大輝くんは、たくさんの話をして帰った。
大輝くんがバスケを始めた時の事、勉強が嫌いで屋上でよく昼寝をしている事。
バスケの話をしている大輝くんは、本当に楽しそうで。
私は夢中になって聞いていた。
お互いに自分の事を少しでもたくさん知って欲しくて・・・気がついたらいろんなことを話していた。
大輝くんは、少し驚いて
「優奈はバスケ経験者なのか?」
と聞いてきた。
私は、父の転勤で小学校3年生からアメリカにて、その時からバスケをやっていたことを大輝くんに話した。
すると、大輝くんは
「なぁ、ちょっとオレとやってみねぇか?優奈のバスケ見たいんだけど」
と言ってきたのだ。
「えぇ?日本に帰ってきてからやってないし、しかも制服だし!」
そう言いつつも、ちょっとワクワクしている自分がいた。
「よし、行くぞ。すぐ近くにストバスのコートがあんだよ」
と言って、大輝くんは私の手を掴んで歩き始めた。
「ちょ、ちょっと~~」
「優奈のバスケ、見てぇんだよ」
・・・・そんなこと言われたら断れないじゃん。
ズルいなぁ、大輝くん。
ほどなくして、コートに着いた私達は、着ていたブレザーを脱いでベンチに置いた。
「手加減お願いしますね」
私がお願いすると
「わかってるっつ~の。じゃあ、優奈からオフェンスな」
と言って、ボールを渡された。
あっ、久しぶりの感覚。
バンッ、バンッ
ドリブルの音がとても心地いい。
私は、ふぅっと一呼吸をして、ドリブルを始めた。
そして・・・気がつくと、大輝くんをかわしてシュートを決めていた。
すると大輝くんは
「ははっ、なんだよ優奈。めちゃくちゃ上手いじゃねぇか」と、ちょっとびっくりしていた。
「あはは、なんか体が勝手に動いちゃって・・・」と笑って答えると、大輝くんは
「あんまりにも綺麗すぎて、見とれちまったわ」
と、照れながら言ってくれたのだ。
「あ、ありがとう」
私はそう言うのが精一杯だった。