Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第3章 久しぶりの I Miss You 【青峰 大輝】
少しの間見つめ合っていた。
すると体育館から
「青峰~、練習再開するぞ~」と声が聞こえてきた。
「じゃ、じゃあ、オレ行くわ。時間あるならまだ練習見て行けよ」
そう言って、私の頭をくしゃっと撫でて戻って行った。
その時、彼が耳まで真っ赤になっていた事に優奈は気づいていなかった。
「反則だよ、青峰くん・・・」
私はそう呟いて、また練習を眺めていた。
『青峰くんの事が好き』
この気持ちは、確信に変わった。
また会いたい。
お喋りしたい。
あの笑顔が見たい。
久しぶりの気持ちに少し動揺しながらも、ドキドキはもう止まらなかった。
しばらく練習を見ていた私は、最後まで見ていこうかどうかと悩んでいた。
さすがに最後まではね・・・と思いながらも、最後まで見ていたら一緒に帰れるかもしれないし・・・いやいや、いきなり一緒に帰るはナイナイ・・・
などと、1人怪しくブツブツと言っていた。
すると
「あのぉ、もう少しで終わると思うので」
と声をかけられた。
振り向くと、桃色の髪の女の子がたくさんのタオルを抱えて立っていた。
「あっ、邪魔してごめんなさい!」
私が謝ると、彼女は
「私は桃井さつきです。バスケ部のマネージャーで青峰くんとは幼馴染なんです」
と笑顔で答えてくれた。
「私は櫻井 優奈です。なんかお邪魔しちゃってごめんなさい。もう帰りますから」
そう言って、体育館を後にしようとした。
すると、さつきちゃんは
「もうすぐ終わるので待っていてください!青峰くんに伝えておきますから!」
と笑顔で私に言ったのだ。
焦った私は
「えっ、大丈夫だよ。うん、大丈夫。生徒会室に寄って行かなきゃならないし・・・」と早口でさつきちゃんに伝えた。
「え、でも・・・」
さつきちゃんが何か言いたそうだったので
「練習見れて良かったよ!ありがとう!お邪魔しました!!」
そう言って、私はその場を後にしたのだった。
ハァ、ハァ・・・・
教室までダッシュをし、自分の席に倒れこむ。
「いきなり待ってるとかウザいよね・・・まだ全然話したこともないし、顔見知り程度だもんね・・・」
わかってはいるけれど、やっぱり切ないな。
私は机に突っ伏すと
「はぁ、こんなにも好きになるなんて・・・」
と青峰くんの事を想ってドキドキしていた。