Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第2章 ムーンライトストーリー【赤司 征十郎】
「今日から、この学校に通うのか・・・」
私は、着慣れない制服にちょっと苦笑いをし、これから通う事になる校舎を見上げていた。
私立洛山高校
全国でも有数の進学校であり、バスケの名門校。
イギリスから帰国した私が、これから通う事になる学校だ。
「バスケットかぁ・・・」
幼い時の思い出がふと蘇る。
そして、あの時に交わした約束とキス。
「征くん」
そう呟いてみるが、彼とはもう5年近く会っていない。
「覚えているわけがないか・・・」
私は、校舎に向かって歩き始めた。
ほんの少しの不安と期待を胸に・・・。
職員室で担任の先生に挨拶をして、私は先生と一緒に教室へ向かった。
1年3組
教室の前に着くと、合図をしたら入ってくるように言われたので、ドアの前で待っていた。
教室からは、ざわざわと声が聞こえてくる。
ふぅ・・・
深呼吸をひとつした時、先生の声が聞こえてきた。
ガラッ
クラス中の視線が一斉に集まる。
ドキドキしながらみんなの前に立ち自己紹介をする。
「はじめまして。櫻井 優奈 と言います。イギリスから帰国して間もないので、まだ慣れないこと事ばかりですが、よろしくお願いします」
そう言ってお辞儀をし、みんなを見ると
「帰国子女なんだ!」
「めちゃめちゃかわいいんだけど!!」
といろいろな声が聞こえてきた。
「はい!静かに!」
先生の声で、クラスが静かになる。
「では、櫻井さんは、窓側の空いている席に座ってください」
先生に言われた通りに、窓際の一番後ろの席に向かう。
そう、運命の再会がすぐそこに待っているとも知らずに・・・。