Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第2章 ムーンライトストーリー【赤司 征十郎】
それから、優奈とは小学校4年生まで同じクラスだった。
あの頃と変わらない、そう僕だけの大好きな笑顔。
優奈がいてくれたから、その笑顔がそばにあったから、僕は辛い習い事も頑張れたんだよ。
バスケだって、いつも優奈が見ていてくれたから上手になったんだ。
あの時は、それがずっと続くと思っていた。
そう、ずっと・・・・。
僕たちが5年生になる時、優奈は親の転勤でイギリスに引っ越すことになった。
優奈がイギリスに行ってしまう前日、僕は優奈の部屋にいた。
「征くん、淋しいよ・・・・」
優奈は、泣きながら僕の手を離そうとはしなかった。
僕も優奈の手を離すことができなかった。
「優奈、僕も寂しいよ。でも、約束しただろう?僕達は将来一緒になるんだ。今は離れてしまうけれど、それはほんの少しの間だよ。またすぐに会える日が来るよ」
そう言って、泣いている優奈の唇にキスをした。
その日も、あの小さな約束をした日と同じ月が、僕たちを見つめていた。
あの唇のぬくもりは、今もずっと僕の中に残っている。