Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第1章 The signs of LOVE 【実渕 玲央】
全ての花火の火が消えて、煙と静寂があたり一面を包む。
気がついたら、アタシは優奈を抱きしめていたわ。
「玲央・・玲央・・・」
アタシの胸で、小さな肩を震わせて泣く優奈。
しばらく背中をポンポンとしていると、優奈が顔を上げてアタシの目を見つめてきたわ。
まだ涙で濡れている瞳。
すると、優奈は少し俯いて話はじめたわ。
「今日ね、彼にサヨナラしてきたの」
「・・・・・・・・。」
アタシは言葉が出なかった。
なんて言っていいかもわからなかった。
「でもね、泣かなかったし責めたりしなかったよ」
そう言って笑う優奈。
「えらかったわね」
アタシはそれだけ言うと、さらにギュッと優奈を抱きしめたわ。
腕の中の優奈は「好きだったのになぁ・・・」と小さな声でつぶやいた。
それを聞いたとき、アタシの中で今まで封じ込めてきた優奈への想いがもう止められないと思ったの。
(伝えなくちゃ・・・)
「優奈、これから話す事は、ワタシにとってものすごく勇気が必要だったって事を知っておいてね」
そう前置きをした。
優奈は
「うん」
とだけ言って、アタシの顔を見つめていた。