第3章 球技大会
・・・地球上にこんなに綺麗な人って、いたんだ
切れ長の目、スッと通った鼻筋、紅く色付く薄い唇、細い顎
顔のパーツの位置も完璧で、とてもよく出来た、いや、出来すぎた人形のような男の人だった
「・・・あ、ありがとうございます」
しばらくその人を呆然と眺めていたが、男性が手を離すことによって覚醒する
ぺこり、礼をしてその人を再び見つめた
その男性は「あぁ・・・」と言ってあたしたちを順に見たあと、目を細めた
そして、何か考える素振りをして、あたしたちをすり抜けた
・・・うわぁ、なんか、ただの廊下がキラキラして見える
後ろ姿も綺麗で、空いた窓から吹く風に揺れるミルクティー色の髪も綺麗だった
「真伊・・・あの人、ハーフかなー・・・?」
あたし同様、ボーッとしながらその後ろ姿を眺めている愛紀
そして、無言を貫く空沙
みんな視線を男性の後ろ姿に向けていて、その人が視界から消えるまであたしたちは目を離せずにいた