第8章 "お兄ちゃん"じゃなくって…
次の日、学校帰りに病院を訪れると
先輩のお母さんが来ていた。
「おばさん、こんにちは!」
櫻井母「ちゃん、こんにちは。
元気そうね。昨日はありがとう。」
先輩の顔が見れない。
先輩の視線を感じる。
そこにお兄ちゃんが
ビニール袋を下げてやって来た。
和也「おう!!
おばさん、これでいいかな?」
私よりも先に来ていたみたい。
あ、お兄ちゃんが昨日のこと
話したのかな?
櫻井「ちゃん…」
名前を呼ばれた瞬間、
涙がボロボロと溢れて来た。
「うっ…!」
たまらず先輩に抱きつく。
「何やってるんですか…!!
こんなに迷惑かけてっ!
もうっ…!!!!!!」
先輩はただごめんと言い続けた。
「生きてて良かった!
生きてて良かった…。」