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第8章 願いと共に


「フフフ、さてこれが最終決戦になるわね?私はそんなモンスターを出したりはしないわ?それに戦うのは一人、太郎あなた一人よ?」

『え!?俺?』

「そうよ?」

「そんな!太郎君だけなんて死んじゃう!!」

「そうだ!太郎!こんなやつの事信用するな!」

「さっきも言ったでしょ?私はモンスターとかを出さないって、ちょっと知恵比べをするのよ?」

『知恵比べを……か』

「太郎!騙されたら終わりだぞ?」

『いや、皆……俺行くよ』


「え!?何でだよ!」


『何か……あのボス……聞き覚えがある声なんだ……それに、今の俺ならやれる気がするんだ!』

すると皆は黙った

最初に口を開いたのは

室腰先輩だった

「そんなに言うなら、行ってこい!ただし!必ず帰ってこいよ?」

『室腰先輩……有難うございます……』

そう言うと室腰先輩は「ああ!」って言って笑った

皆も頑張れと言ってきた

「さて?覚悟は出来たのかしら?」

『ああ!』

「そう?じゃあ最終決戦にぴったりのステージを用意しましょう」

謎の女が手を鳴らすと

歪んだ空間になった

もう、青蘭ちゃん達も居ない

「さて、問題1よ?貴方はどうしてこの次元に居るの?」

『え……』

なぞなぞとか思ったけど、これは俺の事に関するものだ……

「どうしたの?早く答えなさい?」

『えっと、現実の世界が嫌になったから……』

「ふーん?じゃあ問題2、貴方は何の為に此処に居るの?」

『それは……青蘭ちゃんに会いたくて……』

「ふーん、問題3、貴方は死にたいの?」

『!?死にたくなんか……』

そんな事を聞かれるとは思っても居なかった

確かに俺は生きてる価値なんてない

仕事もやめて、親を困らせて

今になっては別次元でも……

「何?はっきり言いなさい!」

『…………』

俺はついに黙ってしまった

しばらくの沈黙の後に謎の女から口を開いた


「そういえば、さっき貴方の仲間は言ってたわよね?」

『えっ?……』

「お前のお陰で俺らは生きている、必死に俺らを守ってくれた、そうだぞ?太郎、あん時お前が居なかったら青蘭を救えなかった…、山田君が居なかったら私達はウィルスの時に適切な判断を取れなかった、だから、過去に捉えられるじゃなくて、今の現実を見た方が良い、太郎君は人を助けられる優しい人間なんだからって」
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