• テキストサイズ

SHOW BY ROCK !!

第2章 プロローグ



ーリリsideー


ライブの後、楽屋にて。


「なあ、リリ。さっきはどうしたんだよ?急に黙ったりして」


汗をタオルで拭きながらスカルが尋ねてきた。
私は真剣な顔で黙り込む。
すると察したのか、今度はユクシィが尋ねてきた。


「もしかして…ダークモンスターか?」

「え…そうなの?リリ」


心配そうな顔でハルテミスが聞いてくる。
私は静かに頷いて、言葉を続けた。


「うん。微かにだけど、ダークモンスターの気配を感じたの。でもライブ中に抜ける訳にもいかないでしょ?」

「まあ、そりゃそうだな。しっかしよぉ、それも考えてライブの日程は抑えめにしてあんのに、今日もかぶったか」


チッとスカルは舌打ちをする。
ユクシィとハルテミスも、浮かない表情だ。

確かに、この頃ダークモンスターが現れるのが頻繁すぎる。
私がこっちに来た当初に比べて、かなり頻度が高くなってきている。

さすがに可笑しいよね、これは…
社長に少し相談してみるか…

そんなことを考えていると、ハルテミスがねぇ、と肩を叩いてきた。


「これじゃないかな?その、リリが気配を感じ取ったやつって。これライブ中継なんだけど…」


スマホを差し伸べられ、それを手に取る。
私の周りには3人が集まってきて、ちょっと暑苦しい。

でも、そんなの我慢!

改めてスマホに視線を移す。


「……あ、多分これだ」


スマホに映し出されているのは、巨大なダークモンスターと今人気のバンド『トライクロニカ』。
どうやら、今回のターゲットは『トラクロ』らしい。


「…今から行っても…間に合うか?」

「無理。着く前に餌食になるか、倒すかどっちかだよ」

「そうだよねぇ…って、えっ!?!?」


ハルテミスが珍しく大声を上げた。
本当に珍しいことなので、私達は思わずびっくりして肩を窄ませる。


「な、何、ハルテミス。急に大声出して…」

「そうだぞ!お前が叫ぶなんてよっぽどの………あーーー!!!!」


耳をつんざくような叫びをあげるスカル。
思わず頭を叩いてしまった。


/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp