第2章 プロローグ
ー話し手sideー
「今日は私達、『ライアーループ』のライブに来てくれてありがとー!本日最後の曲はーー」
そこまで言うと、リリはピタリと言葉を止めた。
バンドのメンバーも観客も何事かとザワザワし始める。
しかし、それはほんの一瞬のことで。
「…あ、ごめんなさい!最後だって言ったらちょっと物悲しくなってきちゃって…。じゃ、気を取り直して!本日最後は『 Liar 』。聞いてくださいね!!」
元通りの笑顔でライブにまた流れが出来た。
ドラムの音で、曲が始まる。
観客との一体感、会場中に響く音。
全てが、リリにとって最高の宝物だ。