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Birthday Novel

第9章 H27.6.10. 岩泉一



「あっ、もうすぐ昼休み終わっちゃう!じゃあまた放課後ね!」
「おー」



面倒くさいのに、見放すことが出来ない。
なんたって、気づいた時には怪我してたり行方不明になってたりと忙しい奴だからだ。

まあその気持ちが何なのかなんて、このオレが自覚してねぇわけがない。
オレだって男子高校生だし、それなりにそういう事も考えたりするし、ここまできてわからないなんて言うほど馬鹿みたいに鈍感じゃない。



「台風みたいな子だよねー」
「お前に言われたかねぇだろーよ」
「酷いな~」



コイツや自身が気付いているのか気付いていないかはわからないが、出来れば知られたくない。
特にコイツには。



「はお前みたいに下衆でもないし鼻高々でもねぇよ」
「ちょっと岩ちゃん失礼!」
「てかお前は教室に戻らねーのかよ」
「一緒に戻ったら有らぬ誤解を受けそうなので」



…というのも難しいようだ。









「ハーイ、ミーティングするよー」



放課後、視聴覚室にはバレー部が集合していた。
女子マネがいないココは、むさ苦しい野郎ばかりでいっぱいだ。
しかもこの時期は暑い。
教室の温度は急上昇だ。



「暑いから早く及川」
「ハイハイ静かにしてねマッキー」



というか、全員揃ってるのに中々始めないのにイライラしてきた。
こちとら人を待たせてんだっての。



「ミーティングしねえなら帰んぞ」
「ああ!待って待って!今どう始めるか思案してたんだよ!ごめんって!」
「は?」



何をどう始めるって?
これでミーティング何回目だよ。



「今考えてたのかよ!クソ及川!」
「ふざけんなクソ及川」
「もういいから早く始めましょうよ暑いんで」
「ごめんって!あと国見ちゃんもドサクサに紛れて愚痴こぼさないで!」



…なんなんだよコイツらは。



「ッゴホン。では改めまして。ミーティングという名の誕生パーティーを行います!!」
「は…?」


一体誰の……


「明後日はウチのエースの誕生日!けど部活で忙しいからね、今日やっちゃおう的な!」
「あ、オレか」
「岩泉以外に誰がいるんだよ」
「フツーに忘れてた」



あーそうか。
もう明後日は誕生日か。
それでさっきから全員(特に金田一)がソワソワしてたってことか。
…ったく、ほんとバカな奴らだな。
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