第10章 H27.5.4. 桃井さつき
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そして遊園地の帰り道…
「青峰っち、ちゃんと家まで送ったっスかね~」
「大丈夫ですよ。青峰君もさすがにもう子供じゃないでしょうし」
「てか、桃っち送るのは黒子っちの方が良かったんじゃ…」
「?なんでですか?」
「あーお腹空いたー。ちょっとコンビニ寄ってい~?」
「紫原は相変わらずだな…。久しぶりに寄り道するとしようか」
「まったく…今日は少し甘いんじゃないのか、赤司」
「そんなことはないさ」
「てか、桃っちビックリするっスかねー!」
「そこは心配ないんじゃないかな」
「さっちん泣きそ~」
「喜んでもらえたら何よりなのだよ」
「そうですね。恐らくボク達全員にメールを送ってくるでしょうね」
「写真とね!」
彼らは桃井の反応を楽しみにしながら、それぞれの帰路に着くのだった。
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帰宅し、部屋に入った私は言葉を失った。
「な、何これ…」
目の前には、テーブルに置かれた大きなプレゼント。
厚さはそんなに無いが、大きさとしてはかなり大きめだ。
カラフルなラッピングはみんなの色と同じだった。
ゆっくりと包装を解いていく。
そして出てきたのは…
「コルクボード…」
そこに貼られた中学時代の写真やプリクラ、高校生になってからの写真、そして一人一人からのメッセージカード。
その中にはマネージャーをしている時や、みんなでストバスをしている時の私の写真もあった。
「ズルい…」
いつの間にこんなに写真撮ってたの?
メッセージカードにいっぱい書いてるの、一生懸命考えてくれたの?
私の目からは涙が溢れ出て、しばらく止まらなかった。
「ありがとう… みんな大好き…っ!」
2015.05.04.
Happy Birthday to Satsuki...
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「あ、メール…」
「なになに、『プレゼントありがとう』」
「『おかげで目が腫れました』やっぱ泣いたんだ~」
「『写真の事はビックリしたけど、とても嬉しかったよ』…フン、当然なのだよ」
「『部屋に置いてくれたのはどうせ大ちゃんでしょ?笑』どうせってなんだよ…ったく」
「『また、みんなで遊ぼうね!』…ああ、もちろんだ」
「『当然、バスケもね!』。ハイ、桃井さん」