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Birthday Novel

第9章 H27.6.10. 岩泉一


「いーわちゃん」



そうオレを呼ぶのは、腹の立つ顔をした幼馴染。
だけだったハズだが、今ではもう一人増えている。



「、その呼び方やめろって」



その名も。コイツは幼馴染、及川のクラスメイト。
だけならまだしも、アホっぽい所がかなり似ていてしかも超仲が良い。



「えー、ダメ?」
「なんかムカつく」
「徹の真似してるだけなのにぃ」
「それがダメだっつのに」



その仲の良さときたら名前で呼び合うところだけじゃなく、出会えば必ずと言っていいほど絡みにいっては楽しそうにふざけてたりする。



「呼んだ?」
「うわっ、乗っかんないでよ徹」
「及川サンに触れていただけるんだからありがたく思いなよ」
「ウザーい」
「こら、女の子がそんな言葉使わないの」



やって来たのは本家の方。
こうも2人揃うと、夫婦漫才なのかイチャイチャしてるかのように見えてくる。
まぁこの2人、付き合ってるわけではないけど。



「岩ちゃんからも何か言ってやって!」
「は?」
「徹うるさい」
「ああ、うるさい」
「なんでオレだけ?!」



正直ウンザリするのに、なぜかいつも巻き込まれてしまう。
…そういう運命なんだろうか。
とんでもないが。



「あーそうだ岩ちゃん、今日ちょっとだけミーティングするから放課後視聴覚室ね」
「あー、わかった」



今日は月曜日。
部活はオフだが、たまにはこうしてミーティングがある。
試合が近いと尚更だ。



「えっ、岩ちゃん今日は私と帰るんでしょ?!」
「いや、初耳だけど」
「朝から私決めてたもん!」
「知らねーよ…」
「えーっ」



ほんと、どこまでも及川ソックリだ。



「…ミーティングすぐだろうから待っとけ」
「ほんと?!いいの?!」
「仕方なくな」
「やったー!岩ちゃん大好き!」



が、こんなことを簡単に口に出すところとか、単純なところとか、あと純粋そうなところとかはさすがに似てないけど。
それに、コイツの喜んでる顔は嫌いじゃない。



「終わったら迎え行くわ」
「うん!!じゃあ教室にいる!」
「ハイハイ」



なんというか、面倒見てやんないと、みたいな気持ちになる。
危なっかしいんだ、コイツは。
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