第3章 新しい街
う、うわ………
やっぱ人多い…
東京についてはや10分。
何度か来たことあるはずなのに、未だに東京駅から出ていない。
「ま、迷った…」
とりあえず、地図でも…って
スマホの充電あと3%とかイジメじゃん!?
はぁ………
どんっ、と、誰かとぶつかった。
「「ぁわ、、すいません」」
そしてハモった。
なんだこの子めっちゃかわいい…年下かな?
「あの、すいません…迷っちゃって…」
で、この子も迷ったと言う。
「あー、実は私も…みたいな…?」
と言ったところで、なんにも状況が変わる手筈もなく、、、
無駄な沈黙が一気にその場に流れる。
「あのー、案内しましょうか?」
「あ、はい、いいんですk………」
親切で話しかけてくれた人がいて、その声に返答をしようとしたさ。
出来れば平然を装っていたかったさ。
でも、その人を前にしたら、そんなことできなくて。
「って、バレた………?」
って、キョトンとする顔が本人過ぎて。
まさか…本当に?
「下野くん……………………?」