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【黒子のバスケ】紅いRouge【裏◆R18】

第3章 【青峰大輝】変わらない想い





「あり……がと、来てくれて……」

「……ああ」



そしての家に着いてから、俺たちはこんなやり取りをしたっきり無言。

なんて声をかけたらいいかわからない。
そんな状況がもうずっと続いている。


は俯き、時々何かを言おうと顔を上げるのを視界の端で捉えるが……結局飲み込んでしまう。

一体俺に何を伝えたいのか……言ってくれなきゃわからないバカな俺。

気になって気になって、とうとうこっちから口を動かした。



「つーかさっきからなんだよ」

「あっ……えっと……」

「会いたいって言ったのはお前だろーが」

「そう……なんだけどさ……」



ここはちゃんと聞く耳を持つべきなのに、俺はどうしても強い口調になってしまう。


何か言いたい事でもあんのか?
言えよ、聞いてやるから。


こう言えたらどれだけいいか。
しっかりと向き合って今までの時間を取り戻したいのに……何故こんなにも素直になれないのか。


……もしかしたら俺はからも逃げてるのかもしれない。

投げやりになりつつあるバスケのように。



「……帰るわ」

「えっ……」

「意味ねーだろ居たってよ」



逃げるな。
こいつの事好きなら今しっかりと話し合え。


そんな事わかってるけど上手くいかない。
口が身体が……本心とは真逆の事をする。

〝絶対後悔する〟
そう思うのに冷たく言い放ち、帰ろうと立ち上がってしまうのだから。



(チッ……)



に背を向け、見えないようにグッと歯を噛みしめる俺はかっこ悪い。


抱きしめたい。
この腕で思いっきりを包みたい。

そして〝俺は今でもお前が好きだ〟と伝えたい。
伝えたくて伝えたくてたまらない。


だから帰ると言ったのに……
立ち上がったのに……



足が動かない。


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