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【黒子のバスケ】紅いRouge【裏◆R18】

第3章 【青峰大輝】変わらない想い





「行かないで……っ」



と、その場で立ち尽くす俺をまた救ってくれたのはだった。
自分より遥かに大きな俺の身体を後ろから精一杯抱きしめてくれる。


俺から見えるのは小さな手だけで、が今どんな顔で抱きついているのかはわからない。

……でも泣いているというのはわかった。
背中が熱い。



「お願いっ……まだ……まだ帰らないで……一緒に居てっ……!」



女を泣かせる事は、男としてしてはいけない。
それが例え暴力ではなくても。


今の自分は最低だ。
は必死に伝えてくれているのに、俺は何一つ想いを告げられていないのだから。


ダサい人間にはなりたくない。
ここで振り返らなくて何が彼氏だ。



「バカかお前……っ」

「大輝っ……」

「また泣きやがってよ……」



優しく抱きしめ返せなくて悪い。
いつも強引で悪い。

けどこれが俺の精一杯のやり方。
普段からこうして腕に抱く事はあまりないから、いざとなると恥ずかしさのが勝ってしまう。


だからそれを隠すように強くの腕を引く俺。
加減がわからないからキツく抱きしめてしまう俺。


でもは文句一つも言わずに……こんな俺の胸で涙を流してくれる。

「寂しかった……っ」と言いながら。



「私っ……今でも大輝の事好きだよ……」

「……ああ」

「好きっ……」

「……」

「大好、んんっ……!」



に辛い思いをさせていた事に申し訳なさを感じたけど、そう何回も好きだと言われると照れ臭くて仕方がない。


嬉しい。でも恥ずかしい。


これ以上耳にしたら顔が赤くなりそうで……
だから俺は途中で話を遮った。

自分の唇で……惚れてる女の唇を「大好き」という言葉と共に攫った。


キスなんて久々で……胸が痛いくらいに動く……。


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