第4章 【黄瀬涼太】記念日
こっちはもう力が入らないというのに……彼はまさかのお願いをしてきた。
どうやらずっと前からされてみたかったそう。
……やった事はない。
けどやり方はなんとなく知っていたから……私はゆっくりと身体を起こし、露わになった彼のモノを挟んでみた。
「い、いい……?動かしても……」
「ん、いいっスよ……」
「上手いかはわかんないけど……じゃあ……」
「っ……!」
ぎこちない動きをしているから、きっと気持ちよくないと思っているに違いない。
そう私は不安になる。
どうしてかって……理由は涼太くんが何も言わなくなってしまったからだ。
目を閉じて……口を結んだままちっとも反応を見せてくれない。
「ね、ねぇ涼太くん……私……」
「っはぁ……やっべすげぇ気持ちいっ……」
下手すぎが原因で、もしかしたら嫌われてしまうかもしれないと急に怖くなった私は、手遅れになる前に終わりにしようと声をかけた。
けどそれは私の勝手な考え。
涼太くんは我慢していただけでちゃんと感じてくれていたんだ。
よかった。
嬉しい。
って安心する私だけど……
彼の色気ある表情は、いつも下からしか見ていなかったからなんだか新鮮。
そして何故だかとても可愛く見える。
「涼太くん……」
「なっ……んスか……?ぅあっ!」
「んんんっ……!」
ずっと涼太くんの顔を見ていたら、彼の事が愛おしくて堪らなくなった私。
もっと気持ち良くなってほしくて……私は自ら彼自身を口に含んだ。
実はこれもやった事がない。
だけど私は懸命に舌を使う。
「っちいきなりすぎっ……!嬉しいけどそれじゃ俺……っ」
「んーん……っ」
「っあ!ちょっ……ダメっスそこは……っ」
いつも私を気持ち良くしてくれてありがとう。
だから涼太くんも良くなってほしい。
出してもいいから、私がやる事で快感を味わってほしい。
って思う私は、涼太くんが1番反応を見せてくれた場所を攻め続ける。
今日はネックレスを買ってくれたからそのお礼……と言ったらおかしいかもしれないけど、これは初挑戦である私からの精一杯のお返し。