第4章 【黄瀬涼太】記念日
「当然っス……」
もっとしてなんて……顔から火が出そうなくらい恥ずかしいセリフを言ってしまった。
けど涼太くんは真剣に受け止め、私の唇に熱いキスを沢山落としてくれる。
大切に扱ってくれる事が嬉しい。
こうして好きな人と触れ合う事が出来て幸せ。
そう思う私の呼吸は次第に荒くなって……そして身体が疼き始める。
「座ったままじゃっち疲れちゃうっスよね。よいしょ……」
「ひゃっ……!」
「クスッ、可愛い。でももっと可愛くなれる場所に連れて行ってあげるから……ちゃんと捕まって……?」
そんな私を軽々と持ち上げた涼太くんは、彼の匂いでいっぱいのベッドへと連れて行ってくれた。
ふかふかな布団に横たわるだけでなんだか気持ちが良いのに、これからここで涼太くんの愛を受けるんだと思うと……既に意識がふわふわとしてくる。
「ねぇっち……」
「んぁっ……!」
「あれ……息かかっちゃった……?ほんと弱いっスね、ここ……」
「あっ……んんっ!」
違う。今のは涼太くんの甘い声を近くで聞いてしまったから反応したんだ。
私の鼓膜を刺激して……全身に痺れをもたらすくらいの力がある。
まるで媚薬みたいに。
「っちもう立ってるっスよ……?」
「っはぁ……やだぁ……っ」
「どうして……?可愛いじゃないっスか……」
「ひゃ……ぁ!」
だからだろうか。
自分の胸の先端が上を向いていると言われたのは。
でも声だけで身体が熱くなったなんて言えないから、さっき耳を舐められたからこうなったんだと……心で涼太くんに言い訳をする。
口に出して言ってないから当然涼太くんは気付かない。
「っち……お願いがあるんスけど……」
「な……なぁに……?」
「俺の……その……やってくれないっスか?胸で……」