第4章 シリウス・ブラックとの出会い
いつもは澄んで動物たちの憩いの場所の湖は、ディメンターだらけだった。でも、それのほとんどはハリーの守護霊によって払われていた。
「シリウス!ハリー!」
二人ともディメンターに魂を吸われかけたみたい。シリウスなんか息が荒い。
《インセンディオ》
私はまず体が冷えきっているシリウスのために火をおこした。そして、水を飲ませ、傷の手当てをした。その間シリウスはうわ言を言っていた。嫌な夢でも見ているようだ。私はシリウスの手を握り、
「大丈夫だよ、シリウス。もう大丈夫。安心して。」
と言うと、少しほっとするような顔をした。
シリウスの手当が終わると、今度はハリーの方だ。ハリーは擦り傷だらけだったが、シリウスのように命に関わる様な怪我はなかった。
「イヴ!!」
見ると、スネイプ先生やマクゴナガル先生がこちらへ来るのが見えた。魔法省の役人たちや魔法大臣も一緒だ。
「あぁ、これは………。」
「何と言うことだハリー。危ないところだった。やっと見つけたぞ。シリウス・ブラック!!」
魔法大臣が興奮した面持ちで、役人に命令する。
「魔法大臣!違うんです。聞いてください。シリウスは無実なんです。本当はピーター・ペテグュリューは生きていて………………」
私は朦朧とする意識の中必死に訴えたが、
「あの哀れなペーターが生きていた?馬鹿も休み休み言いたまえ。連れていけ。」
「先生!!本当なんです!!信じてください。」
「イヴ、あなたなんですかこの傷は!?熱を帯びてるじゃないですか」
「イヴ、貴様回復術の術を習ったのではないのか!?…………ブラックやポッターの方を治したのだな。」
「先生…………………シリウスを…………キスを執行させないで…………これ以上私の兄のせいで人生をめちゃくちゃに………させないでよぉ……………シリウス…………」
私は意識を手放した。