第4章 シリウス・ブラックとの出会い
静かな満月の森の中。ルーピン先生の吠える声を聞く。傷が熱い。私は気休めの呪文を唱える。今は1分一秒が惜しい。
「きゃあーーー!!」
近くで女の子の声が響いた。聞いたことのある気がする声。急がなきゃ。
目眩を抑えながら足を速めると、そこにはバックビークがルーピン先生を蹴ろうとしている光景だった。
「危ない!!」
私はルーピン先生に引き寄せの呪文を使って私の近くの木に先生を拘束した。幹が太いから、さすがの先生でも無理みたい。
暴れている先生をみると怪我はないみたいだった。さすがの先生でもバックビークに蹴られたら怪我しちゃうもん。
バックビークが私の方へ歩み寄ってきた。私のことを覚えてるみたい。
「バックビーク。よかった。処刑されなかったんだね。いい子いい子。誰かいい人が助けてくれたんだ。ハリーとハーマイオニーあたりかな。ロンは足を怪我してるもんね。」
私はバックビークの好きな肉をたくさんあげる。
「元気でね。ちゃんとシリウスの言うこと聞くんだよ。」
ブルルルル
私は肉を頬張るバックビークを後にし、嫌な感じがする湖の方へ急いで向かった。