第4章 シリウス・ブラックとの出会い
「大丈夫?もしかして怪我が…………」
急いで向かってみると、そこにはクルックスシャンクスと大人の男の人がいた。痩せこけた頬に髭や髪は伸び放題。そしてその顔は見覚えがあった。
「………動物もどき……」
「………やっぱり気づいていたのか。悪いがドアを閉めて中に入ってもらおうか。」
彼…………シリウス・ブラックは私に杖を向けていった。私は黙ってドアを閉める。
「いつから気づいていた?」
「………最初にこの屋敷にきたとき、男の人の足跡があった。そこで、ここなら一応学校の敷地内として扱われるからディメンターも来れないし、ロンたちに聞くまで知らなかったけど、ここ叫びの屋敷って呼ばれてるから人が来る心配もないし、隠れるならもってこいだと思ってた。でも、動物もどきだと思ったのは、私へと連絡法を教えるとき。私わざと動物には伝わらない方法……つまり言葉で教えたの。それなのにあなたは従順にそれをこなした。それで確信したの。」
「あーそれには気をつけてたつもりなんだけどな。つい出てしまう。そうか、君は賢いな。でも何故それを周りに言わなかった?」
「…………嫌だったから。」
「?」
「魔法大臣が話してた。もしシリウス・ブラックを確保したらディメンターのキスを執行にするって。私あれ嫌いだから。」
するとシリウス・ブラックは笑い始めた。
「君な、普通殺人鬼よりも怖いものなんてないって考えるのが普通だろ。市民の義務として殺人鬼の脱獄者を通報するのが常識だ。それを…………」
腹をかかえて笑い始める。
「なっ!?じゃあ、通報すればよかったの!?ディメンターにあなたを差し出せと?嫌だよそんなの!だってあなた人殺してないでしょ?」
途端に笑いが止み、シリウス・ブラックはこちらを向く。
「………どうしてそう思う?」
「………貴方の目は死んでないもの。人を何人も殺すような目じゃない。」
「目?」
「ダンブルドア先生が教えてくださったの。人を殺すことは大罪中の大罪だって。人を殺すことは自分の身を引き裂いてしまうことと同じだって。その時からその人は呪われるんだって。その時魔法大臣は子供騙しだっ笑ってたけど、私もそう思うの。だって、人を殺したことがある人は全員ちっとも幸せそうじゃないだもん。…………私の兄を含めて。」
「………兄?」