第4章 シリウス・ブラックとの出会い
そして夜。事件が起きた。
私がにこにこしながら帰ると、ハリーに何故か泣いたような跡。楽しいホグズミードのはずなのに。
「ハリー?どうかした?」
「…………うん。ちょっと。」
私はあったこと全て聞き、驚いた。
「…………ハリーはどうしたいの?」
「復讐してやる。そいつに会って、両親にされたようなことをする。」
「………ハリー」
私は何も言えなかった。普通はここで、復讐からは何も生まれないとかそれでご両親は帰ってくるの?とかいうべきなんだろうけど、私には何も言えなかった。だけど、一つだけ言えること。
「それは、ご両親が喜ぶこと?」
「……………………」
「ハリー。私はハリーにそんなことして欲しくないな。ハリーは優しい大好きな私の友達。私はそんな友達に人生を棒に振って欲しくない。そんなことした奴にはそれ相応の罰が与えられるべきだと思う。だけど、その罰はハリーが与えるべきじゃないよ。そんな奴なんかのためにハリーの人生をこれ以上めちゃくちゃにされる必要ないんだから。」
ね?と言うと、ハリーは少し間があってこくんと頷いてくれた。よかった。
と私がホッとしたのもつかの間。騒ぎが起こった。
「太ったレディがいない!?なんで?」
見ると、グリフィンドールの談話室の肖像画太ったレディがいつもいるところにおらず、おまけに何か鋭利な刃物で割かれたような跡が残っていた。
ダンブルドア先生がやってきて、太ったレディを探すように言う。
「ダンブルドア先生、ここに太ったレディがいます!」
私はすぐ近くの絵を指さした。ダンブルドア先生がそこにやって来る。
「校長…………あいつです。あいつがここにいますわ。あの、シリウス・ブラックが!!」
大変な騒ぎになった。