第4章 シリウス・ブラックとの出会い
外は一面の雪景色。私は取り敢えずハグリットの家の方向へ足を向ける。
ふと、雪の中に足跡を見つけた。猫のようだ。そう言えば、ハーマイオニーの猫が今朝行方知らずになってた。私はどこかで読んだ探偵みたいにそれを辿っていくと、暴れ柳の木に着いた。よくみると暴れ柳の幹あたりに穴があった。足跡はその中に続いているようだ。
「どうやって入ろ?あ、この間覚えたあれ使ってみよ。」
私は覚えたての眠りの魔法を唱えて、柳が眠ったのを確認して中へと入った。
穴は思ったよりも広くて、大人一人通れるほどだった。それでも四つん這いで通らなきゃいけなかったけど。奥へと奥へと進んでいくと、上へ続いた。そこを抜けると、家の空家のようだった。
「へー!なんか秘密基地みたい!!」
ちょっとどきどき。埃まみれの廊下にはちゃんと猫の足跡も発見。と思ったら、別の足跡も発見。犬のような足跡と大きな足跡。これは人間の足跡だ。
「事件かも。」
パイプがあったら吸いたい気分だった。
《ルーモス》
私は小さい明かりをつけて、そろそろと歩き出した。ちょっとした好奇心が探検に変わってしまい、ニヤケが止まらなかった。
ガタンッ。
突然の物音に心臓ひやり。おそるおそるドアを開けてみると、そこには……
「あ、クルックスシャンクス!!と、あの時の狼だ!」
二匹とも突然の来訪者にびっくりしたみたいで、毛が逆だってる。
「久しぶりー!覚えてる?えへへ、元気そうでよかった。ここに住んでたの?クルックスシャンクスのお友達
だったんだー。あ、でもクルックスシャンクスだめだよ、御主人様が心配してたんだから。楽しいのは分かるけどちゃんと帰っておやりよ。」
頭を撫でると、クルックスシャンクスは気持ちよさそうに体を寄せる。狼の方も撫でてあげるけど、こっちは警戒してるのか表情が固い。
「大丈夫だよー。心配ない、心配ない。怪我は大丈夫かな?………うん順調順調。だけど、あんまし無理しないでね。怪我が開いちゃうから。………あれ、なんかシャンプーの匂いがする。んー、飼われてたのかな?それにしては人馴れしてないよね?なんかあったのかな。ハグリットに見せようかと思ったけど、当分はやめといたがいいかも。私時々くるね。怪我とか食べ物とか気になるし。取り敢えずはいこれ。」
と、私は去年もらったなんでもバックから肉を取り出した。