第4章 シリウス・ブラックとの出会い
「イヴ、さっきのは高度な守護霊の呪文よね?あなたまさか使えたりしないわよね?」
ハーマイオニーが目をギラギラさせながらさっきから聞いてくる。
「あ!私こっちだ。じゃあねー、ハリー、ハーマイオニー、ロン。それにネビル!」
私は四人に手を振ると自分の寮の席に座り、隣の席の子に話しかける。今の私はスネイプ先生に言われるあの頃の私じゃないのだ!後頭部にハーマイオニーの鋭い視線を感じる。
「休みどうだった?」
「楽しかったよ。ロンドンでショッピングしたんだ。」
「私はイタリアで本場のピッザ食べてきたわ。とっても美味しかった。」
いつの間にか一人二人と話の輪が多くなる。すると、いつの間にか隣にいるマルフォイが
「ポッターが倒れたんだってな!暗くて怖かったんでちゅかねーあはははは!!!!!!!!」
とマルフォイを筆頭としたいつものハリーいじり。
「へー、マルフォイ。もう黒い森一人で入れるんだ。えらいねー。一昨年まで一緒に手をつないで歌うたって怖さ紛らしたもんね。すごいすごい。」
少しヒートアップしてきたから、微笑みながら言うと、案の定マルフォイは真っ赤。
「ちっ、違う!!あれは………その………………」
ハリーたちやまわりのみんなが大爆笑。ハリーと目が合ったのでウインクしたら、目を背けられた。あー、余計なことしちゃったかな。
「生徒諸君、とうとう新学期が始まった。勉学に励み、学校生活を楽しむが良い。ところで気づいておるやもしれんが、魔法省の勧めでディメンターが……」
ダンブルドア先生の話の時、隣のマルフォイが何かを手渡してきた。見てみると何やら高価なハンカチだ。
「…………一昨年のお詫びだと思って受け取ってくれ。」
マルフォイ自身あのことについて触れられるのはあまり好ましくないみたい。
「わかった。もういじらないよ。ごめんね。これありがと。」
ここで貰うのを断るのも変だと思い、受け取る。
「あっ………あと………その」
他にもなにかあるようだ。だけどその先をなかなか言わない。マルフォイらしくないな。としているうちに、ダンブルドア先生の話は終わり、各自監督生に連れられて寮に戻り始める。
「マルフォイ?」
「……お、お前もポッターと同じ親なしなんだってな!スリザリンの恥さらしめ」
マルフォイの声が辺りに響いた。