第4章 シリウス・ブラックとの出会い
バサッバサッ
「ん?あれ?ハグリットハグリット。フクロウ便だよ」
「おー!俺もな新聞を取ろうと思ってな。………って、そっちじゃねぇ!こっちだ!ちょ、ちょっと待ってろ今行く」
何故かあのフクロウはこっちではなく回れ右をしてあちらの方へ行ってしまう。それを慌てて追いかけるハグリット。ここは森の中。わたし達以外届ける人はいないだろう。
ガサッ。
ハグリットがフクロウを捕まえて戻ってきたのかと振り返ると、そこにいたのは黒い狼だった。怪我をしているみたいでかなり弱っていた。
「ちょっ、ちっと待って。手当するから」
私はその狼に近づこうとするが、その狼は警戒して後ずさってしまう。
「大丈夫。私はあなたを傷つけるつもりはない。大丈夫。ほらね?」
そう言って、頭を撫でてやると落ち着いたようにきゅーきゅーとなく狼。
「うん!いい子いい子。よしよし。」
すると、ほっとしたのかそのまま気を失ってしまった。
その狼はこの森では見ない種類だった。毛並みが黒の狼も珍しい。
「でもいい毛並みふわふわー」
私はその狼が目覚めた時のために食べ物を置いたあと、その狼が目覚めるまでずっと毛並みを撫でていた。